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二酸化チタンは発がん性物質?【食品添加物なのに安全性は大丈夫?】

<監修医師  WASHIO>
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二酸化チタンは、プラスチックや塗料などの工業用製品、薬のコーティング剤や食品添加物として着色料など様々な用途で様々な製品に配合され、日常生活に必要不可欠なものとなっています。

 

しかし、発がん性などの毒性も疑われており、二酸化チタンを摂取することは本当に問題がないのかとの心配の声も上がっています。

ここでは、二酸化チタンの安全性を考えながら、使用することが私たちにどのような影響を及ぼすかを考えて見ましょう。

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二酸化チタンとは?

 

二酸化チタン(酸化チタン)とはチタンの酸化物です。

ルチル型・アナターゼ型・ブルカイト型の3種の結晶形態がありますが主にルチル型とアナターゼ型の2種が使用されますが、ナノ粒子の形状で使用されることが多く様々な分野の様々な製品に幅広く使用されています。

 

二酸化チタンのナノ粒子は紫外線を遮断する作用があるため、ほとんどの日焼け止めクリームに配合されています。

 

また、日本では指定食品添加物として厚労省より認可され、二酸化チタンを食品に使用する場合は食品添加物としてのみ使用が許可されており、お菓子などの加工食品の着色のみに使用されています

 

工業分野では白色顔料や紫外線吸収料としてペンキ、化粧品、歯磨き粉の原料などに使われています。

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発がんの可能性は?二酸化チタンの3つの危険性

 

妊娠合併症

酸化チタンを用いた動物実験において、妊娠合併症が確認されたとの報告があります。

 

妊娠中のマウスに酸化チタン(ナノ粒子)を注射した結果、『ナノ粒子が胎盤関門を通過して子供への神経毒性を引き起こすことが確認された』という報告があり、このことから二酸化チタンが不妊の原因になるという考えがあります

 

しかし、厚生労働省から発表されている 『有害性総合評価表(平成23年4月14日有害性評価小検討会資料』1では、

生殖・発生毒性試験、遺伝毒性試験、反復投与毒性試験のいずれでも神経毒性の報告はなく、不妊や妊娠合併症の原因となる根拠に乏しいことから、その詳細は未だ不明です。

 

発がん性

アメリカの機関で二酸化チタンの高い発がん性を啓発しています

 

しかし、厚生労働省から発表されている 『有害性総合評価表(平成23年4月14日有害性評価小検討会資料』1では発がん性の有無については「人に対する発がん性が疑われる」とされています。

 

発がん性があるという研究者もいるものの発がん性を示す明らかな根拠に乏しくデータ不足として発がん性物質に分類されていないため二酸化チタンは現在も様々な分野で使用されています。

 

アルツハイマー

動物実験において、『酸化チタンの吸入試験では、低用量投与群で短期間に酸化チタンが脳内に達し、炎症や細胞ストレスの数値の上昇、記憶をつかさどる海馬の神経損傷がみられた』と報告され、アルツハイマーの発症との関連性が疑われています

 

しかし、厚生労働省から発表されている 『有害性総合評価表(平成23年4月14日有害性評価小検討会資料』1では、反復投与毒性試験を始めとする各種試験のいずれでも神経毒性の報告はなく、その詳細は未だ不明です。

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二酸化チタンの安全性を知る

 

二酸化チタンは化学的に安定な物質で体内に吸収されにくく、一般的に人体への影響は少ないと考えられており、薬や食品などにも使用され、さらに紫外線を吸収しないことから肌の保護利用のためにほとんどの日焼け止めに配合されています。

 

なお、皮膚に塗布した二酸化チタン(ナノ粒子)は皮膚上層で留まり体内には入らないことが分かっています

 

酸化チタンの安全性については、日本でも厚生労働省や経済産業省などで調査が行われており、それぞれの機関でその安全性の報告がなされています。

 

厚生労働省から発表されている 『有害性総合評価表(平成23年4月14日有害性評価小検討会資料』1によると、経口投与によるLD50(半数致死量)値は各種動物(ラット・マウス・ウサギ・ハムスター)いずれでも10g/kgです。

 

これは、ヒトでおおよそ換算すると40㎏の人で400g摂取した場合に相当し、急性毒性は極めて低いと考えられます。

 

しかし、気管内投与では1.25 mg/kg投与群で呼吸器系の変動・代謝への影響や炎症反応が認められたという結果があり、気管支粘膜からの吸収の方が経口投与より毒性が表れやすい可能性があります。

 

また、経済産業省から安全性の報告では、10%濃度の顔料の二酸化チタンをラットに13 週間混餌投与した結果、生存率、体重への影響、投与に関連した病変や組織の変性は認められなかったとの報告があります。

 

また、多量(5g/kg 体重比)のナノ酸化チタンを成体マウスに1回強制的に経口投与した結果、投与2 週間後では肝臓に蓄積はあったものの明らかな急性毒性は認められなかったとの報告があります。

 

これらの結果から、二酸化チタンは経口ばく露による健康影響は慢性及び急性ともに心配ないと考えられています。

 

海外では、国連の食料農業機関 (FAO; Food and agriculture Organization)および世界保健機関 (WHO; World Health Organization) が設置したFAO/WHO合同食品添加物専門会議(JECFA; Joint FAO/WHO Expert Committee on Food Addives) による安全性評価においても二酸化チタンの毒性は極めて低いA(1) に分類され毒性学的に摂取量を制限する必要はないとされています。

 

以上のことから、二酸化チタンの経口摂取による毒性は低いと考えられています。

 

なお、二酸化チタンは微粒子かつ不溶性のため粉塵として吸引した場合の肺への影響が懸念されますが、これは二酸化チタンの有毒性ではなく不溶性粒子全般の毒性と捉えられています。

 

そのため、二酸化チタンに限らず粒子かつ不溶性の物質を使った製造に係わる場合は防塵マスクなどで吸入しない予防策が必要になります。

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二酸化チタンの用途は幅広い!4つの利用法

 

食品添加物

二酸化チタンは厚生労働省から食品に対する安全性・有効性が認められた指定食品添加物です

 

日本では、二酸化チタンを食品に使用する場合は、食品添加物としてのみ使用が許可されています。

 

主に加工品への白色の着色料としてホワイトチョコレートの白色や各種の色に着色するための下地として使用され、脱脂粉乳・チーズ・ヨーグルト・マヨネーズ・チョコレート ・マシュマロ・加工されたファーストフード・トマトケチャップなど多くのものに配合されています。

チーズそのものの効能についてはこちらを参考にして下さい。

【関連記事】
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また、薬の充填剤(錠剤の製造するために必要)・化粧品・歯磨き粉・紙・塗料・インキ・製紙・プラスチック・繊維・ゴム・クレヨンなど様々な分野で使用されており、私たちの性格に必要不可欠なものになっています。

 

薬・サプリメント

錠剤の錠剤を呑みやすく割れにくくして有効成分の保護する為のコーティング剤として使用されています。

 

日焼け止め・化粧品

紫外線を遮断する性質を利用して、ほとんどの日焼け止め製品に配合されています。生成の過程で微量の酸化アルミニウムと二酸化ケイ素を含むことがあります。

 

また、酸化チタンは無機顔料の中で最も高い屈折率をもち、適正な粒度と分散性を備えているため隠蔽力や着色力が優れ化学的にも安定であることから白色顔料として使用されます

 

工業用製品

工業製品では塗料・インキ・紙・プラスチック・繊維・ゴムなど幅広く使用され、私たちの暮らしに必要不可欠なものとなっています

 

紫外線遮蔽を目的とした化粧品や光触媒などの分野で開発が進み、これらの特性を応用して日焼け止め化粧品、透明フィルム、トナー用添加剤、ファインセラミックス等の分野で使用されています。

日焼けによる身体への影響についてはこちらを参考にして下さい。

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まとめ

しるし   

私たちの生活の中の様々なものが化学物質により処理されています。それは物に限らず食品でも薬でもそうです。今回の二酸化チタンもその1つです。

 

国内で使用される化学物質の多くは国によりその安全性・毒性が調査されて使用に問題がないかを確認されています。その安全性調査は通常の生活ではヒトが摂取することのない高い濃度(量)で行われます。万一誤って大量摂取した時のためです。

 

そのため、有害性があったとしても、それが現実的な摂取量下でのものなのかを考えなくてはいけません。どのような状況だと表れるのかが大事で、それを踏まえて考えましょう。

 

二酸化チタンの場合、実際にヒトが摂取するとしてもその量は微量です。

 

厚生労働省が発表している安全性試験の結果をみると、それらの試験はいずれも実際の摂取量を大きく上回るものです。その結果をどう現実と照らし合わせて捉えるかが大切です。

 

大きく上回るから問題外ではなく、その可能性を考えていくことが大事なのだと考えます。これからも調査は引き続き行なわれると思われますので、その結果を待ちたいと思います。

  当記事は医師、薬剤師などの専門家の監修を受けておりますが本サイトで提供する情報、文章等に関しては、主観的評価や時間経過による変化が含まれています。 そのため閲覧や情報収集は利用者ご自身の責任において行っていただくものとしその完全性、正確性、安全性等についていかなる保証も行いません。

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